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クレカ選び、失敗しても死なない。でも知ってると旅が変わる
「海外旅行に最強のクレジットカードは?」
このキーワードで検索すると、判で押したようなランキング記事が並んでいる。1位・エポスカード、2位・楽天カード、3位・三井住友カード——還元率と特典の一覧表、そして最後にアフィリエイトリンク。
正直に言う。クレカ選びを失敗しても、旅で死ぬわけではない。
財布に1枚だけねじ込んで50カ国を旅してきたわけではないし、ポイント還元率が0.1%違ったところで人生は変わらない。
ただ、「知っていた」と「知らなかった」の差が、数千円の手数料損失として静かに積み上がっていくのは事実だ。ペルーのATMにカードを吸い込まれたとき、スペアがなければ旅は詰んでいた。エポスカードで航空券を買っていなければ、病院のキャッシュレス対応は受けられなかった。
この記事は、最強カードを決めるためのランキング記事ではない。50カ国以上を自分で手配してきた経験から、なぜその構成になったのかを正直に書く。
海外でお金を動かす「3つのルート」の仕組みをまず理解する
クレカの話をする前に、海外でお金を使うルートを整理しておきたい。仕組みを知らないまま「とりあえずクレカで払う」をやっていると、気づかないうちに損をしている。
ルート①:クレカで直接決済する
レストランでカードを出して、サインまたはPINを入力する。一見シンプルだが、為替の変換コストが「見えない形で」レートに上乗せされている。
クレカ会社はVisa・Mastercardのレートを基準に請求金額を日本円に換算するが、そこに海外事務手数料(一般的に1.6〜2.5%程度) を上乗せしてくる。現地で「500ペソ」と払っても、明細を見て初めて「あれ、思ったより高い」と気づく構造だ。
少額なら誤差だが、2週間の旅行で毎日使い続けると、じわじわ効いてくる。
ルート②:WISEで決済する
WISEのデビットカードは、ミッドマーケットレート(中間市場レート) という、銀行間で使われる実勢レートで決済する。為替に隠れたマージンが乗らず、手数料は別途明示される。
「クレカで払ったら請求が思ったより高かった」という体験をなくすために使っている。手数料の構造が透明なので、「いくらかかるか」が事前にわかる安心感がある。
事前に円→外貨に両替してWISEに入れておく使い方もあり、レートの良いタイミングを狙って両替しておくと、さらにコストを抑えられる。
ルート③:ATMで現金を引き出す(キャッシング)
現金が必要な場面はまだ多い。屋台、個人商店、チップ文化のある国。カード決済が通らない場面では、ATMで現地通貨を引き出すことになる。
ここで知っておきたいのが、ATM手数料には「2つの出どころ」があるという構造だ。
| 手数料の種類 | 内容 |
|---|---|
| ①カード会社側の手数料 | カード会社が設定する引き出し手数料 |
| ②現地ATM側のサーチャージ | ATMを設置した銀行が独自に徴収する手数料 |
①はカードによって大きく差がある。②は国・ATMによって異なり、1回あたり数百〜1,000円程度かかるケースもある。
WISEでキャッシングしたとき、1回で約1,000円取られた経験がある。②の現地サーチャージがメインの原因だったが、①のカード側コストが低ければトータルのダメージは小さくなる。後述するが、エポスカードはこの①が非常に安い。
わたしが実際に使っている4枚構成と、その役割分担
現在の財布の中身はこの4枚だ。それぞれに明確な役割がある。
日常マイル積み:MileagePlusセゾン(国内メイン)
国内の日常的な支払いはこれ一本。UAマイル(ユナイテッド航空)が貯まるカードで、マイルに有効期限がないのが選んだ決め手だ。
ANAはスターアライアンス加盟なので、UAマイルをANA特典航空券に使える。自分の年間支払い額でどのカードが最もお得かを試算した結果、今はこれが最適解。気が向いたときに見直す程度だが、マイル無期限は長期積み立て前提の旅人には大きなアドバンテージだ。
旅先ではほぼ出番はない。あくまで「マイルを貯めるための国内カード」という位置づけ。
海外の相棒:WISE
現地での日常的な支払いはWISEがメイン。前述のとおり為替手数料が透明なのが理由だ。
コツは、レートが良いタイミングで事前に外貨両替してWISEに入れておくこと。 渡航前にアプリで相場を確認して、「まあこのくらいなら」と思ったときにまとめて両替しておく。旅先でレートを気にしながら使う必要がなくなる。
ただし、キャッシングには使いにくい。次のエポスに軍配が上がる。
保険・キャッシング番長:エポスゴールド
海外に持っていく中で、最もよく使う「守りのカード」がこれだ。
なぜエポスゴールドか。理由は2つある。
理由①:キャッシングのコストが圧倒的に安い
エポスカードの海外キャッシングにかかる費用はシンプルだ。
- ATM手数料:1万円以下110円、1万円超220円
- 利息:実質年率18%(帰国後すぐ繰り上げ返済すれば数日分で済む)
- 海外事務処理費:なし
3万円を引き出して3日で返済した場合、利息は約44円。ATM手数料220円と合わせても約264円で済む。
空港の両替所で5万円を両替すると手数料2,000〜3,000円程度かかることを考えると、差は明白だ。
繰り返すが、現地ATM側のサーチャージ(②)は国によって発生する。それでもカード会社側のコスト(①)が格安なエポスは、トータルで最も安いキャッシング手段のひとつだ。
理由②:航空券を買うだけで海外旅行保険が動く
エポスゴールドは利用付帯の保険カードだ。つまり「持っているだけ」では保険は発動しない。発動条件はシンプルで、以下のいずれかをエポスで支払えばよい。
- 出国前に航空券(公共交通機関の乗車券)をエポスで購入する
- 出国前にツアー代金をエポスで支払う
- 出国後に現地の公共交通機関をエポスで支払う
わたしは毎回、航空券をエポスで買う。 これだけで保険が発動し、旅行開始から最大90日間が補償対象になる。追加の保険料はかからない。
補償内容(エポスゴールド)の主な項目:
- 傷害死亡・後遺障害:最高5,000万円
- 傷害治療費用:300万円
- 疾病治療費用:300万円
- 賠償責任:3,000万円
- 携行品損害:20万円(免責3,000円)
- 救援者費用:最高500万円
海外キャッシュレス診療にも対応しており、現地の提携病院であれば自己負担なしで治療を受けられる。
なお、エポスゴールドは通常5,000円の年会費だが、年間50万円以上の利用で翌年以降永年無料になる。条件を達成した人には招待状が届いてゴールドに切り替えられるルートもある。
楽天経済圏の人向け:楽天カード
旅での出番は、正直ほぼなくなった。
なぜなら、保険の利用付帯条件が2020年に大きく改悪されたからだ。
改悪前は「航空券をカードで購入する」だけで保険が発動していた。しかし2020年10月の改定以降、発動条件は「ツアー(募集型企画旅行)の代金を支払った場合のみ」に絞られた。つまり、個人で航空券を手配する旅スタイルでは、楽天カードの保険はほぼ機能しない。
ではなぜ持っているか。
楽天カードの本領は国内の楽天経済圏にある。楽天市場での買い物でポイント倍率が高くなり、楽天モバイルの月額を楽天カードで払うとさらにポイントが積み上がる。ポイントで楽天モバイルの支払いを実質タダにすることもできる。
楽天モバイルを使っている人には、旅との間接的な接点もある。楽天モバイルは対象国・地域であれば海外でのデータ通信が月2GBまで追加料金なしで使える。短期旅行ではサブ回線として重宝しており、eSIMを現地で調達しなくてよい場面もある。
ただしこの話は奥が深いので、通信手段の選び方については別記事で詳しく書く。
(準備中)
ペルーでカードが吸い込まれた話——「複数枚持ち」が命綱である理由
ペルーのATMに、カードが吸い込まれて返ってこなくなった。
詳細は別記事に書いたが、あの経験から学んだことをひとつだけ言う。
カードのトラブルはゼロにできない。
スキミング、磁気不良、ATMのシステムエラー、国によってはカードが弾かれる。長く旅をしていれば、どれかは必ず起きる。
そのとき「財布に1枚しかない」だったら、旅は終わる。
複数枚持ちは、保険でも贅沢でもなく、冗長性の設計だ。メインが死んでもサブで動ける状態にしておく。
ブランドも分散させると安心感が増す。Visaが弾かれる店でMastercardが通った、という経験は珍しくない。

「1枚だけ作るなら」エポスを勧める理由
「4枚はハードルが高い。まず1枚だけ作るなら?」
エポスカードを作ってほしい。 理由はシンプルだ。
年会費が無料なのに、海外旅行に必要な機能が1枚で完結する。
| 機能 | エポス |
|---|---|
| 海外旅行保険 | 航空券購入で発動(利用付帯) |
| キャッシング手数料 | 最安水準(ATM手数料110〜220円のみ) |
| 年会費 | 無料(ゴールドは条件付き永年無料) |
| ブランド | Visa(世界シェア最大) |
初めての海外旅行の人に伝えたいのは、「航空券をエポスで買う、これだけ覚えておけばいい」ということだ。それだけで旅行保険が動く。キャッシングが必要になったときのコストも最小化できる。
持ち始めて、旅に慣れてきたころに「マイルも貯めたい」「WISEも使ってみたい」と思ったら、そのとき少しずつ構成を育てていけばいい。
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よくある質問
Q. エポスカードとエポスゴールド、どちらを作るべきですか?
旅行頻度が年1〜2回程度なら、まず通常の無料エポスカードで十分。保険の補償内容はゴールドより低いが、年会費ゼロで持てる。年間50万円以上使うようになれば、ゴールドへの招待が来る可能性がある。そこで切り替えるのが、無駄のないルート。
Q. WISEはクレカじゃないですよね。必要ですか?
必須ではない。ただ、海外で「クレカ払いの為替手数料が気になる」と感じ始めたら、WISEは有力な選択肢になる。まずエポスで旅の感覚をつかんでから、必要を感じたら追加する程度で良い。
Q. 保険は複数カードで合算できますか?
傷害死亡・後遺障害以外の項目は、複数カードの補償を合算できる。たとえばエポスと楽天カードの両方で保険を発動させていれば、治療費の補償額が積み上がる。ただし楽天は個人手配の旅では発動条件を満たしにくいため(前述)、現実的にはエポスがメインになる。
Q. 海外でスマホの通信はどうするべきですか?
クレカとは別の話になるため、詳しくは以下の記事に書いた。楽天モバイルの海外2GB無料、eSIMの選び方、現地SIMとの比較を一本にまとめている。
(準備中)
まとめ:賢く旅するための最初の1手
結論をもう一度言う。
クレカ選びを失敗しても死なない。でも、知っているほうが旅は確実に楽になる。
「何でもいい」は本音だ。ただ、どうせ作るなら手数料を余分に払わず、保険も無駄なく機能させたほうがいい。
最初の1手はエポスカード。航空券をエポスで買う。それだけ覚えておけば、この記事の9割は達成されている。
余裕ができたら、WISEを追加して決済コストを最適化する。マイルへの興味が出てきたら、自分の生活スタイルに合ったマイルカードを探す。そうやって少しずつ、自分だけの「旅の財布」が育っていく。
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本記事の情報は執筆時点(2026年5月)のものです。カードの補償内容・手数料・キャンペーンは変更される場合があります。必ず各カード公式サイトでご確認ください。 本記事はアフィリエイト広告を含みます。紹介料が発生しますが、それによって内容の評価は変わりません。

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